会長挨拶
こどもからおとなまで、国民の目と見える喜びを守るために
会長 加藤圭一
日本眼科医会は、昭和5年(1930年)の創立以来、90余年にわたり国民の皆様の目を守り、我が国の保健・福祉の向上に寄与する活動を積み重ねてまいりました。全国15,000名余の眼科医で構成される本会の使命は、都道府県眼科医会・日本眼科学会・眼科関連団体等と連携し、眼科医療を通して国民一人ひとりの「見える喜び」を守ることです。
◇日本の将来を担うこどもたちの目の健康を守る
小学校低学年頃までが視機能の発達に特に重要な時期で、適切なメガネを用いても十分な視力が得られない弱視は、幼少期の適切な対応によりその多くが治療可能です。本会の働きかけにより、約98%の自治体で3歳児健診に精度の高い屈折検査が導入され、弱視の早期発見が進んでいます。本会では、6歳までに視力1.0を獲得することを目指し、6月10日を「こどもの目の日」と定め、啓発活動を行っています。
こどもの目をめぐるもうひとつの深刻な課題は、こどもの近視の増加と低年齢化です。近視は単に視力の問題にとどまらず、将来、緑内障・眼底疾患・白内障などの発症・進行の因子となります。
デジタル機器の普及やライフスタイルの変化に伴い、こどもたちの視環境は大きく変化しています。私たちは、日本の将来を担うこどもたちの目の健康を守るために、最新の科学的知見に基づいた対策を積極的に推進してまいります。
◇おとなの眼疾患の早期発見と「眼底検査」の普及
おとなの目を守ることも、本会の重要な使命です。わが国における視覚障害原因の約80%は、眼底検査によって発見できる病気です。代表的な疾患が緑内障です。緑内障は視力ではなく視野が徐々に失われていく病気で、自覚しづらいのが特徴です。「視力が良ければ目は健康」と思っておられる方も多いかもしれませんが、目の健康を守るためには眼底検査等による眼疾患の早期発見が不可欠です。私たちは、視覚障害につながる眼疾患を早期に発見するために眼底検査の普及啓発と体制整備を推進してまいります。
◇超高齢社会における「アイフレイル対策」
超高齢社会を迎えたわが国において、見逃せないテーマが「アイフレイル」です。ちょっとした目の症状を放置せず、適切な対応によって快適な生活を送るとともに、その裏に潜んでいる視覚障害につながる目の病気を発見するのがアイフレイル対策です。視機能が低下すると外出や活動の機会が減り、認知症や転倒のリスクが高まるなど、全身の健康にも深刻な影響を及ぼします。本会は「いつまでもよく見える目」を合言葉に、アイフレイル対策に積極的に取り組んでまいります。
◇誰もが暮らしやすい社会支援
視覚障害により日常生活に不自由を感じておられる方々が、充実した毎日を送れるよう支援する体制づくりも、本会の大切な役割です。視覚に障害のある方が暮らしやすい社会の実現に向けて、関係機関と連携しながら取り組んでまいります。
日本眼科医会はこれからも、こどもからおとな、高齢者まで、すべての世代の目の健康を守るため、活動を続けてまいります。日頃から大切な目の健康に関心を持ち、目のことはどんなことでもお近くの眼科医にご相談ください。




