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色覚異常といわれたら

6.色覚異常は遺伝なの?

人間は父親と母親から22 対(44 本)の常染色体と1 対(2 本)の性染色体を受け継いでいます。性染色体にはX 染色体とY 染色体があり、X 染色体とY 染色体を1 本ずつ持つと男性になり、X 染色体を2 本持つと女性になります。

色覚異常の遺伝子はX 染色体に存在しており、この遺伝子をX' と表すことにします。この遺伝子がどのように受け継がれていくかを次ページの図に示します。

男性はX 染色体を1 本しか持っていませんので、これがX' であれば色覚異常になりますが、女性はX 染色体を2 本持っていますので、このうちの1本だけがX'であれば色覚異常は表にでず、色覚異常の遺伝的保因者になります。2 本ともX' であれば女性でも色覚異常になります。

日本人では男性の20 人に1 人、女性では500 人に1 人の割合で色覚異常の人がいますが、色覚異常の保因者は女性の10 人に1 人の割合になります。例えば、男女半々の40 人のクラスだと、色覚異常の男子が1 人、保因者の女子が2 人いることになります。

色覚異常は、それほどまれなことではありません。

色覚異常の遺伝形式(伴性劣性遺伝)

1組の夫婦から男子(四角)が2人、女子(丸)が2人生まれたとすると、確率の上からは、父母の色覚の状態によって上記の6種類のパターンで色覚異常が遺伝するします。

●お母さんにお願い
上の図に示されているように、母親が色覚正常で、保因者でもない場合12、生まれてきた男児は全員が色覚正常ですが、父親が色覚異常だった場合は2女児は保因者になります。一方、母親が保因者であった場合は34、父親が色覚正常であっても3男児は半々の確率で色覚異常になり、父親が色覚異常だった場合は4女児も色覚異常か、あるいは保因者になります。母親が色覚異常であった場合は56、男児は全員が色覚異常になり、父親も色覚異常だった場合は6女児も全員が色覚異常になります。
このように、色覚異常は母親を中継して表にでてきます。しかし、ここで一番大切なことは、お母さんが負い目や責任を感じすぎないことです。先祖からの体質を受け継いだことは仕方のないことです。女性の10人に1 人は色覚異常の保因者です。
お母さんが色覚異常をどのように受け入れ、どのように思っているかを、お子さんは直感的に感じ取ってしまいます。お母さんが「かわいそうだ」と思えば、お子さんも「自分はかわいそうな子だ」と思ってしまいます。色覚異常も人の持つ多くの能力のうちの1 つだと割り切って、その子の個性として尊重して接することが大切です。鉄棒の逆上がりができない子は本を読むことが得意だったり、暗算が不得意な子は電卓を上手に使うかも知れません。生まれながらに視力の悪い人には、聴覚や触覚が研ぎ澄まされている人の多いことも事実です。
お母さんが悩むとお子さんに悪い影響を与えます。劣等感を感じたりしないように、お子さんの色の見え方を無理に直そうとせず、例えば「この水色のシャツもいいけど、あちらのピンクのシャツも似合いそうだね」と、普通の会話の中でゆっくり気長に色覚が正常である人の見え方を教えてあげましょう。