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飛蚊症と網膜剥離 なぜ?どうするの

7.網膜剥離の検査と治療

網膜剥離の検査

網膜剥離は、目の外観から診察しただけでは判断することができません。眼底検査といって、眼底鏡という機械を使い、瞳孔から光を入れて観察します。その際、網膜をすみずみまで観察するために、瞳を拡大する目薬を投与します(散瞳)。瞳孔が目薬で拡大すると、まぶしくなって、ピントが合いにくくなります。目薬の効果は数時間持続しますので、検査後は車を運転したりできなくなります。眼底検査を受けるためには、そのつもりで眼科を受診してください。
硝子体出血があって眼底が観察できないようなら、超音波検査など他の検査を行います。

網膜剥離の治療

(1)網膜裂孔だけで網膜が剥がれていないとき

網膜裂孔が生じても、網膜が剥がれていない場合は、網膜裂孔のまわりを凝固(糊づけのようなもの)して、網膜剥離への進行を予防できることがあります。
網膜凝固には、網膜光凝固と網膜冷凍凝固があり、凝固によって裂孔周囲の神経網膜と網膜色素上皮に瘢痕を形成し、神経網膜の下に網膜剥離を誘発する水分が流入するのを防ぎます。ただし、裂孔の大きさや硝子体がひっぱる程度によっては予防効果が弱いこともあり、治療の適応や経過観察の方法が異なります。

(2)網膜が剥離していたら

網膜裂孔から網膜剥離に進行していたら、手術が必要となります。網膜剥離のタイプ(裂孔の大きさや位置、網膜剥離の進行程度、硝子体出血の有無、他の眼疾患の合併など)によって、手術の方法が異なります。手術は、強膜バックル術(強膜内陥術)と硝子体手術に大別できます。

強膜バックル術(強膜内陥術)

網膜の外の組織(強膜)を目の内側に向けて凹ませて、剥離した網膜を色素上皮に近づけ、硝子体のひっぱりをゆるめます(図5)。
そのためにまず、網膜裂孔に対応する眼球の外側にシリコンスポンジを縫いつけて、眼球を内側に凹ませます。そして、網膜裂孔のまわりを凝固してふさぎます。凝固には冷凍凝固や熱凝固、網膜光凝固などを利用します。
網膜の下にたまった液体が多い場合には、強膜側から針のような穴をあけて外に出します。
網膜裂孔の状態によっては、硝子体内にきれいな気体を注入して、裂孔部を硝子体側からふさぐことがあります(硝子体ガス注入術ー図6)。注入した気体は自然に吸収されますが、それまでうつ伏せ姿勢などの体位制限が必要となります。

硝子体手術

網膜剥離の程度や裂孔の位置によっては、網膜裂孔の原因となった硝子体のひっぱりを直接とる硝子体手術をすることがあります。とくに硝子体出血を合併していたり、裂孔が大きかったり、網膜剥離が進行して増殖膜を合併(増殖性硝子体網膜症)している場合に有用になります。
図7のように硝子体内に精巧な器具を挿入して(通常3か所から)、硝子体や網膜をひっぱっている膜状組織を除去します。続いて硝子体内に気体を注入して、剥がれた壁紙を壁に戻すように、剥離した網膜を気体で網膜色素上皮側におしつけます。
目のなかには、絶えず新しい水分(房水)がつくられていて、その液体に浮いた気体の浮力で網膜裂孔をふさぎます。
網膜裂孔は手術中に凝固しますが、凝固部位が瘢痕化するには約1週間かかり、それまでうつぶせ姿勢などの体位制限が必要となります(図8)。