白内障手術と眼内レンズ 眼内レンズを上手に選ぶために

1.はじめに

白内障は、年齢と共に、どなたにでも発症する病気です。また白内障の手術は、日本で年間に約160万件が行われており、すべての外科手術の中で最も多く行われている、いわば身近な手術となっています。

白内障の手術は年々進化し、とても安全で結果の良い手術になっています。白内障手術では、ほぼ全例で眼内レンズが使用されます。数年前までは、眼内レンズにはそれ程種類はなく、どの眼内レンズを選択すればよいのか、あまり考える必要はありませんでした。

近年、いろいろな種類の眼内レンズが利用可能になりました。単焦点眼内レンズに加えて、多焦点眼内レンズ、乱視矯正眼内レンズなどです。どの種類のレンズを選ぶか、そして単焦点眼内レンズならどこにピントを合わせるのか、多焦点眼内レンズの場合はいくつかタイプがあるうちのどれを選ぶのか、患者さんご自分で決めて頂かなくてはいけません。そのためには、眼内レンズの種類とそれぞれの特徴について良く知って頂く必要があります。

本冊子によって、白内障手術と眼内レンズの選択についての理解を深めて頂ければ幸いです。

筑波大学眼科教授
大鹿哲郎