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中高年からのロービジョンケア

2.メガネをかけてもよく見えるようになりません。どうしてですか

このような訴えでは「ひょっとして年のせいで眼が悪くなったのではないか」と、心配している人が多くいます。実際に、メガネの度が合っていないことが多くあります。そこでまず、そのメガネをいつ作ったかを確かめますが、数年前に作ったものでは、眼自体の経年変化で屈折度が変り、乱視度も変っていることがあります。この変化が原因であるなら、正しい屈折矯正をするとよく見えるはずです。

逆にメガネを新調した後、わずかの間にまた見えにくくなり、その度にメガネを買い替えて、数個のメガネを持っている人がいます。一番の原因は水晶体の変化(白内障の進行)による屈折度の変化です。これはあきらめてもらうしかなく、白内障手術をすることで、ほとんどの人が安定した視力になります。

しかし、種々の眼疾患、例えば眼球が拡大しすぎた強度近視、白内障、網脈絡膜疾患、黄斑部変性(特に加齢黄斑変性)、緑内障や視神経疾患などの既往があるときには、メガネでは矯正しても視力は良くなりません。それでも魔法のメガネを信じている患者さんは少なくなく、詳しく説明してもなかなか納得してもらえないのが問題です。

以上をまとめますと、(1)現在のメガネが合っていない、(2)白内障が進行している、(3)眼内の病気、特に加齢による網膜疾患や緑内障が潜んでいることがある、となります。

表 1 は、60 歳以上の視覚障害(良い方の視力が 0.5 未満)の原因疾患とその有病率を示します。

(日本の眼科 80(6)付録,日本眼科医会研究班報告2006-2008 より抜粋)

表1

疾患 年齢 有病率 有病者数
加齢黄斑変性 60 ─ 69 0.24 % 39,772
70 ─ 79 0.58 % 72,273
80 ─     0.78 % 55,454
白内障 60 ─ 69 0.19 % 30,421
70 ─ 79 0.21 % 26,769
80 ─     0.36 % 25,679
糖尿病網膜症 60 ─ 69 0.41 % 67,517
70 ─ 79 0.49 % 60,766
80 ─     0.52 % 37,134
緑内障 60 ─ 69 0.63 % 103,561
70 ─ 79 0.93 % 116,544
80 ─     1.30 % 92,754
屈折異常
(病的近視)
60 ─ 69 0.32 % 52,846
70 ─ 79 0.42 % 52,734
80 ─     0.51 % 63,410
日本の 2007 年の推定人口(人): 127,770,000
推計人口 60 ─ 69   16,311,000
70 ─ 79   12,487,000
80 ─       7,139,000

(厚生労働省 2007 年 9 月発表)